高規格道路をみんなで考える会

高規格道路建設に関する経過と我々の願い


(はじめに)

  地区民が待ちに待っていた高規格道路の建設がいよいよ動き出しました。
 大変好ましいことであります。
  しかし、これまで、一度も地区での話し合いが無かったこと、県からの一方的な説明,
 に地区内ではかなりの混乱が起きています。 
  ここでは、我々が何を望んでいるか、皆さんにお伝えし(経過経緯等)、ご理解と、
 ご支持をお願いしたく思っています。

(1)高規格道路建設についての我々の願い
(2)混乱が起きる要因になったであろう経過の概要
(3)高規格道路計画案についての不安
(4)我々地区民が安心してお願いできるルート案


(1)高規格道路建設についての我々の願い


 @高規格道路は、住民の願いであり早期建設に協力したい。

 A生活環境が悪化しないように配慮した建設をお願いしたい。




 我々地区民には、一人としてこの道路の建設に反対する者はいない。むしろ、できるだけ早期に着工し、すみやかに完成にこぎ着けてもらいたいと願っている。しかし、地区民にとっては青天の霹靂、寝耳に水とでも言うべき6月27日の説明会以降、県当局の計画に対し多くの地区民がいくつもの疑問と不安を抱えるようになった。その疑問と不安が以下の通りである。この不安に対し、地区民が安心できる配慮をお願いしたい。

(2)経過概要
平成13〜14年頃  自動車専用道路(岡山美作道)が、飯岡地内に建設されるという噂は出るが、地区としての正式な会合や区長および町から地区への報告も相談の打診も一切無い。
 正式な会合も報告もないにもかかわらず、ICの場所や地内を走ると思われるルートがまことしやかにささやかれる。
 (不思議にも、その場所やルートは、今回県が説明会で初めて公表した場所やルートときわめて重なる)。
 地区民は、正式な会合もないままに事実らしき噂が先行し、買い取り区域等が決まっているかのごとき噂に不安感と不信感を持ちながらも、いずれかの段階で地区総会が開かれ、地区としての態度を協議して、それが優先されて建設が進むことを信じて待つ状態が続く。
 平成25年9月の県民局見解

  @ 平成11年頃には、津山県民局と県道路課長・柵原町長で
  4ルート案を検討している。
  A 平成11年〜15年の間に、4ルート案から第2ルート
  案にしぼったと思われる。ルート決定には、町は何らかの形
  で関わっていると思う。

  B 平成14年以降は、柵原ルートに関して会議は開いていない。
  C 平成15年以降は、勝央ルートの建設で忙しくなったため、
  そちらにかかりきりとなり、柵原ルートの検討は止まっていた。



【 参考資料 】

 佐賀県(交通政策部道路課)が道路事業における合意形成の進め方について詳しく説明しています。
 赤文字をクリックすれば、PDFファイルが閲覧できるようになってます。


平成23年度  環境アセス実施計画書(赤線入り地図)が常会ごとに回覧される。
 (単なる回覧であり、それについて町からも区からも何一つ説明もなければ会合もないために、多くの住民にはその重大性が理解できず、地域からは何一つ意見は出てこない。)
平成24年2月  「美作岡山道路建設事業に係わる環境影響評価実施計画書の縦覧のお知らせ」と「調査区域地図」が、広報に挟まれて配布される。
 (今回も、町からも地区からも、その意義について何一つ説明がないために、住民の大多数はその重大さに何も気がつかず時が過ぎる。)
平成25年3月  県は、第2ルートが最適と言うことで地元に説明することになる。
平成25年4月  県民局が、区長に説明会のやり方を相談する。
 「田植え後の6月20日過ぎに開く」ことを決める。
平成25年4月  町議選の最中に、延原候補の選挙事務所で次の資料が配布される。

 平成25年2月20日 道路建設課

 「美作岡山道路(柵原IC〜湯郷温泉IC間)のルート(案)について」
  ・ルート地図
  居合わせた事務所スタッフと支援者に配布され、「決定した」と報告
 がある。その情報はそれ以後、地区民には一切下ろされることが無く、
 一部の人間のみが知る情報にとどまる。

平成25年6月27日
 第1回県の説明会が開かれる。説明内容は以下の通り。
  • 「第3次おかやま夢づくりプラン」に基づき、県全体の交通網の整備および県東部の活性化に寄与する目的であること
  • 救急医療・災害対応など住民の福利福祉の向上が目的であること
  • 提案ルートは、飯岡平坦部から丸山東部を巡り、滝谷地区を北面の山側に抜けるルートであること
  • 移転家屋数は、29戸におよぶこと
  • 矢谷ルートは、「出来ないことはないが、技術的に難しい」こと
  • 県としては、施工技術的に平易であること、施工費用が安価に収まることを第一に考慮して決定したこと
  • 道路は盛り土とし、高さは10mから13m、防音壁を加えれば更に高くなること
  • 秋口には、調査・測量に入りたいということ  これに対し、反対意見が続出し、再度説明会を開くこと。次回の説明会では次のことを説明することを求める。
  • 検討した4ルートを明示し、その適否を具体的に説明すること
平成25年8月24日
 第2回県の説明会
 4ルートを写真提示し、各ルートの適否について説明する。
  • 第1ルート・・・移転人家が多い(35戸)
  • 第3ルート・・・鷲山の切り崩しは切り土が大量発生する、進入路を含め川中の橋桁が複雑になり技術的に困難
  • 第4ルート(矢谷ルート)・・・川中に長い橋桁を架けることになり、水流との関係で防災上難点がある、施工費が高くなる
  • 第2ルート・・・吉井側と関係、建設費用、技術面から了解を頂きたい
  賛成意見も出るが、「県としては、地区の総意がないかぎ
 り、建設は出来ない」と明言する。
  以上が、本日平成25年10月4日までの経過概要である。


(3)道路計画案に対する我々の不安

 地区の中を通るルートであるにもかかわらず、地区民との何らの話し合いも
 なかったために、

  @災害が拡大する不安
  A農業振興に関する不安
  B高齢者社会に関する不安
  C健康な生活に関する不安
  D今後の地区の発展に関する不安
  E文化財の保護に関する不安


 など、地区民が不安にならざるをえない要素がいくつも見られる。
 ここでは、それらの不安要素についてお知らせし、関係者の善処をお願いしたい。
  • @災害が拡大する不安
     〜100名以上の人命に危険が及ぶ〜飯岡地区は、吉井川と吉野川の合流地点にあり、過去幾度も川からの洪水の被害に悩まされてきた地域である。さらに、最近の異常気象のもとでは、鷲山・月の輪山系から山水の出水が増え、大量の内水が県道沿いの平地部に流れてきている。幸い、近年、大きな被害は出ていないが、その理由は二つある。
     一つは、堤防が整備されたことである。これにより、川からの流入は防ぐことができるようになった。
     今ひとつは、別紙のように県道から南の水田地帯が内水の遊水池として機能し、 県道北側の住宅地への浸水を防いでいることである。
     ところが、今回の案ではその水田部分に盛り土で底辺80mの道路を建設するという計画である。これが実現すると、現在、水田部が担っている遊水池としての機能は完全に失われ、高規格道路の盛り土によって流出を抑えられた内水は、県道付近からさらに北側へと滞留し、少なくても約30戸以上100人前後の人々の命と住宅が水害の危険にさらされるようになる。後背山系からの出水が、数台の排水ポンプで防げるはずはなく、100名を超える住民の生命と生活が危険にさらされることを考慮いただきたい。

  • A農業振興に関する不安
      ICが計画され、高規格道が建設される予定の地域は「新田」と呼称され、飯岡はもちろん、旧柵原地域きっての稲作地域である。吉井川・吉野川の氾濫により肥沃な土壌が堆積し、良質で味の良い米ができる地区第一等の水田地である。
     このたびの計画では、自然が恵み、祖先が開拓し維持してきたその第一等地のほとんどが道路下に飲み込まれるようになる。豊かな水田地域の多くが消滅し農業に携わってきた地区民を農業から切り離す要素になる。
     米は国民の命を養うかけがいのない基幹食料である。農地は、つぶし、荒れさせれば再び農地として活用することは不可能である。農業の振興は国家戦略の一つである。国家的には小さな面積であったとしても、豊かな農地を守り維持する努力を継続していくことが、国家の将来に対する責任であると考える。

  • B高齢者社会に対する不安
     飯岡上地区は7常会、125世帯である。このうち高規格道路が建設されることにより直接影響を受ける常会は、滝谷常会(37世帯)、多聞常会(19世帯)、原1常会(20世帯)、原2常会(14世帯)である。
     そのうち、移転対象にかかるだろう世帯数は、滝谷常会が11世帯、多聞常会が5世帯、原1常会が10世帯、原2常会が2世帯である。
     その結果、滝谷常会は37世帯から26世帯に、多聞常会は19世帯から14世帯に、原1常会は20世帯から10世帯に、原2常会は14世帯から12世帯にと 激減する。各常会が3分の2から、2分の1に激減する。移転家屋数は、側道の設 置等により更に増える可能性がある。
     このことは、集落機能の弱体化とともに、今後ますます高齢化し支え合いが必要となる時代に、高齢者同士が支え合ってきた人間関係が喪失することを意味する。なじみの人々と、顔を合わせ、声を掛け合ってくらすことができる環境が、高齢者には何よりの安心材料である。その関係が失われ、孤独感と寂寥感のよぎる地域社会にするようなことがあってはならない。

  • C健康な生活が失われる不安
     @Bの危険性は、高架にすれば防げるのではないかという考えがある。しかし、高架にすれば、29戸のうち11戸は移転対象になるが、残りの18戸はその直下に住む可能性が残る。また、18戸以外にもその直下付近で継続して生活しなければならない戸数が30戸近くにも及ぶ。
     合計50戸近い数の世帯に住む人々が、騒音と排気ガス、振動という生活の悪化環境を抱えて暮らしていくと言うことになる。また、家屋の傾きやひび割れ、騒音や振動、さらには低周波からくる頭痛やめまい、吐き気や睡眠障害といった様々な慢性的原因不明の健康障害を引き起こすおそれが予想される。
     高架にすれば、住宅が近接するために深刻な健康障害が発生する危険性がある。

  • D美しい自然景観と発展の可能性が失われる危険性
     吉井川吉野川の合流地域で、南面に向けて開けた開放感ある自然景観は、地区で唯一の財産であり、後世に引き継ぐ資産である。
     近在にはないこの恵まれた自然景観を残し、高規格道路によって県南が通勤圏内に入ったときに、この地域の子どもたちはここから県南に通勤し、また県南で働いていた子供たちも故郷に居住の場を移し、県南への通勤を考えるようになる可能性がある。その時こそが、飯岡地区が再び活気を取り戻し発展し始める時期である。
     しかし、防音壁を入れれば高さ12m〜17m、建物で言えば3階建てから4階建て以上の盛り土ないし高架の高規格道路が、この美しい景観を壊し息苦しい狭小な地域に変える可能性が強い。そうなった地域に、子どもたちはこれからも住み続けるだろうか。帰ってくるだろうか。おそらく否であろう。
     飯岡地区の発展、それは、高規格道路の建設とともに、美しい故郷があってのことである。地域の発展のためにもこの自然景観の保護は必要である。

  • E埋蔵文化財が破壊され、工事が遅れる不安
     飯岡地区は、月輪古墳に代表される文化財の宝庫である。そこには、未だ発掘されていない文化財が多数眠っていることが予想されている。工事により、それら文化財が破壊される危険性と共に、あまりに多くの文化財が眠っているために、その発見のたびに工事が中止され数年単位での遅れが度重なることが予想される。結果的に、当初見積もりよりは多額の予算が必要となるおそれがある。
  以上が、計画案に対する我々の不安です。いずれの不安も地区に暮らす住民としては
 深刻な不安であり、楽観的に考えることが難しい不安です。特に、災害や高齢社会に
 対する不安は、住民の命に関わる問題であり、関係者の皆様で今一度、熟慮頂たいと
 願わずにはいられません。



(4)第4ルートこそが、子孫に胸が張れるルート

  (我々の願い、第4ルート=矢谷ルート)
  繰り返すことになりますが、我々は工事そのものには感謝しており、反対するもの
 ではありません。願うことは、今少し土地の特性や住民の暮らしに配慮をいただき、
 安心して完成を待ち望むルートをお考えいただきたいと願うだけです。
  数百メートル計画を移動すれば、そこは人家も少なく、文化財の埋蔵もなく、
 水害や水田の踏みつぶしと言うこともなく、工事中も完成後も騒音にも振動にも
 わずさわされることがない場所があります。それが第4ルートです。
  技術的には、若干の困難さが伴うとしても、未来永劫この地域に残る道路であり、
 その地域に影響を及ぼし続ける道路です。
 第4ルート=矢谷ルートこそが、将来の子孫に対し、「胸が張れるルート」
 であると信じるものです。
 関係者の皆様のご理解とご尽力を切にお願いいたします。